男尊女卑の時代

実話から考える、女性の貞操観とは何を意味するのか

修道院で何が行われていたか

マグダレンの祈りにて繰り広げられる、強制収容された女性たちに待ち構えていたのは過酷な重労働に、シスターたちから言われようのない虐待の日々だった。規範を見出せば、その体に容赦なく鞭打ちをして、肉体と精神の両方を確実に追い込んでいく。そんな状況下に耐え切れずに脱走する者が出てきてもおかしくはない。主人公の一角であるマーガレットは、そんな脱走したとある少女が助けを求めて帰ったはずの自宅で、父自ら修道院へと連れ戻されるという、一抹の希望すら持つことの許されない現実に絶望した。

それだけではなかった、ギリギリの状況に追い込まれる少女たちの中には、精神を破綻しかける者も出てくるのです。そんな少女たちは時にやってくる神父によって、慰み者としてその体を蹂躙されてしまうのだった。神に仕える神父、そしてシスターたちによって行われるそれは神に対しての懺悔ではなく、ただただ人間的ないじめと虐待、そして性暴行に過ぎなかったのです。

強者が弱者を踏みにじる世界がそこにはあった、連れてこられた少女たちの中には戒律を見だしていないにも関わらず、罪深き者として裁きとばかりに追い込まれていく。それはいつまでも終わりなく、そしてゆっくりと精神を蝕むには十分すぎる状況でした。

妊娠している者も

実際に婚前交渉をしてしまった女性たちもいた、そんな女性たちは知らずして身籠ることもある。生まれれば当然育てなくてはいけませんが、妊婦だからといって日々の労働が減らされるわけでもなく、また虐待が無くなるわけでもなかった。それでも生きる糧として懸命に我が子を育てる姿に微笑ましくもなりますが、その時間も長くは続かないのです。

出産してから3年後、その子供は有無をいわさず取り上げられてしまい、養子などの手続きを経て強制的に引き離されてしまうのだ。フィロミナの例と酷似している、それこそ人身売買として売りに出されてたケースも実際にあったのかもしれません。物以下に扱われ、自分の子どもと引き離されても赦されることのない状況、これが本当にカトリックなのかと呆然としてしまう。それは他でもない、収容された少女たちが一番思ったことのはずだ。

任意があるなしに関係なく

性交渉というが、これは何も互いに同意のある性行為をしたことだけが対象ではありません。収容された少女たちの中には、

  • 実父による強姦
  • 泥酔された状態での強姦
  • 恋人に捨てられてしまった

といったケースですら、すべてが戒律をみなされてしまうのだ。では強姦された少女たちが強制収容所で矯正とは名ばかりの虐待を受けている一方で、男性側はどうしているのかというと、全くお咎めがない。これは時代による男尊女卑が根強かったことが影響している。何をしても許される国情に、女性たちは男性に逆らえば修道院に入れられ、逆らわなくても見限られてもまた同じように収容されてしまう。

そんな時代に誰もが恐怖を覚えたに違いない、家名を汚したといって自分たちを助けてくれない、また自分を乱した張本人がノウノウとしている事実に憤り、世界に絶望する材料としては十分すぎる現実が突きつけられるのです。

物語の結末としては

マグダレンの祈り、その結末では最終的に主要人物のほとんどがなんとか施設から解放されます。マーガレットについては弟が連れ戻しに来たことで穏便に抜け出しますが、バーナデットとローズは共に脱走する形で新たな生活を営むために街で新しい人生を過ごします。

しかしある者は神父からの強姦などによって精神破綻を起こしてしまい、20代半ばという早すぎる死を迎えた者もいた。結末としてはなんとも歯切れの悪いエンディングです。しかし史実に基づいたことで公開された年は世界を賑わす話題作として、日本でもこれは絶対に見ておきたい作品として大々的に報道された。

広く伝播されるカトリックが抱えていた、もう一つの側面。国は違えど宗教も価値観と捉え方次第で、信奉者に誤った考え方を植え付けてしまうことの恐怖、それを克明に示した作品と言えるでしょう。あなたを抱きしめる日までが慈悲を象徴するなら、マグダレンの祈りは宗教の狂気を示した作品性がウリとなっている。

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